プロの目⑪ SNSは広報の味方か、敵か
日々のご相談の中で、SNSに関するものは年々増えています。
例えば「SNSのキャンペーンについて批判されてしまった」。もしくは「企業としてのSNSでの発信に不安がある」……挙げればきりがないほど、その相談は多岐にわたります。 現状特に問題が起きているわけではなくても、「うちの会社は大丈夫だろうか」と、何となく心配している広報担当者も多いのではないでしょうか。
今回は、SNSにまつわる危機管理広報についてお伝えします。
SNSは今や人々の生活に不可欠なツールとなっています。新聞やテレビなどのいわゆる「マスメディア」も、SNSのトレンドを追い、それをもとに企画することも増えてきました。この点でも、広報活動で上手に取り入れられれば、SNSは非常に有効であると言えます。
半面、誤った情報が拡散してしまうリスクや、不適切な投稿をしてしまった場合に注目が集まるリスクもはらんでいます。
企業公式アカウントの投稿が炎上してしまった事例の多くで、その炎上についてWebメディアを中心に報じられました。このように、SNS内での騒ぎにとどまらず他の媒体でも報じられてしまうと、当該投稿を見ておらず騒動に気づいていなかった人たちの目にも届いてしまうことになります。
では、広報担当者の立場で気を付けるポイントとは何か。一番は、当たり前のことですが「他社事例を学ぶこと」でしょう。他社の失敗を研究して「この表現は批判されそうだな」「この話題で他社が炎上していたな」などと気づけば、炎上を未然に防ぐことができます。
もちろん、広報ではない部署が公式アカウントの運営をしているケースもあるでしょう。それでも、社内ですぐに察知して取り下げたり、謝罪文を準備できたりしていれば、炎上の程度を抑えられるでしょう。
また、広報担当者としては、SNSが炎上した際にはメディアからの取材への準備もしなければなりません。この点についても、他社の事例を研究し、謝罪すべきなのかやコメントの出し方などを日頃から考えておく必要があるでしょう。
広報担当者にとっては、他社事例の研究や社会で批判されている事象を良く知ることは当たり前のことです。しかし、少しでも隙があった場合、思いもよらぬところで批判を招いてしまいます。
頼もしい相棒にも、強力な敵にもなりうるSNS。日ごろから対策を万全にして、万一がないよう運用したいものです。
2023/06/15