プロの目㉕広報力の強化に向けて
年末に向け、一年間の仕事の棚卸しをする時期を迎えています。広報部門においても、一年の成果と反省、来年に向けた課題について議論を始められる頃だと思います。年初に掲げた目標に対する進捗や重要視している項目に対する評価は、いかがでしたでしょうか?
自社の広報力に焦点 をあてた評価も重要な指標のひとつです。
経営層の広報活動に対する理解は十分か?
広報業務に携わる人員は不足していないか?
個々人が保有している広報スキルは十分か?
グループ全体の広報力は向上しているか?
来年の広報計画を策定するにあたって、自社の広報力について検証する機会を設けてみてはいかがでしょうか?
広報戦略の立案、メディアコミュケーションの推進、危機発生時の広報対応、インナーコミュニケーションの浸透、広報業務に関するマニュアルの策定、グローバル広報の推進…広報部門が直面している課題は多岐に亘ります。組織として求められているスキルを把握したうえで、経営層や広報担当者が有している広報スキルを洗い出し、優先順位を付けて組織としての 広報力の強化と広報マインドの醸成を図ることは極めて重要です。
経営層には広報活動やメディアとのコミュニケーションに対する理解を深めていただくとともに記者会見や取材対応時の発信力や対応力が強く求められます。
広報部門においては、広報業務の経験がない方には基本的な広報の実務を遂行するスキルが求められ、経験を積まれてきた方は広報戦略を策定する構想力や広報現場での判断力が必要とされます。
また、事業部門やグループ会社で広報業務に携わる方には、組織内のニュースを発掘するノウハウやニュースリリースを作成するスキルが必要とされ、危機が発生した際に現場で初期対応にあたる役割を担っている工場長や拠点の責任者は、現場での対応力や地域社会とのコミュニケーションが求められるでしょう。
このような広報に関する多岐に亘る知識やノウハウ、スキルを修得するには、何よりも広報現場での経験を積み重ねることが欠かせません。計画的に多くの経験を積ませることに加えて、外部の広報のプロによるセミナーや研修、トレーニングを受講させる ことで広報力を磨くことも可能です。
外部の第三者によるトレーニングを通して、広報活動への理解と知見を深めるとともに、高い視座と多様な視点を身につけることにつながります。外部の目を通して、新たな気づきや自社が抱えている課題を改めて認識する機会にもなるでしょう。
来年の広報計画の策定に向けて、組織の広報力強化について 検討 してみてはいかがでしょうか。